今や絶滅危惧…消えた東京の屋台ラーメン屋を調べてみた

皆さん、ラーメンを食べたいなと思った時どこへ行きますか?

今では至る所にラーメンの専門店が軒を連ねているし、ファミレスやコンビニでも手軽にラーメンを注文することができますよね。

さらに最近では出前の需要も高まり、家でも簡単にお店の味が楽しめるようになりました。では、屋台のラーメン屋はどうでしょうか。

国民的アニメの『サザエさん』などで、会社や飲み会帰りのお父さん達が屋台でラーメンを食べているシーンを目にしたことはないでしょうか。

あの光景、最近ではほとんど見かけることが少なくなったと思います。あの風情あるラーメンはどうして消えてしまったのか?

そして今も存在するのか??

今回は屋台ラーメン屋について調べていきたいと思います。



東京における屋台ラーメンの歴史

屋台ラーメン屋の起源は、江戸時代までさかのぼります。

当時は皆さんが想像するような屋根の付いた移動式店舗のような形ではなく、人が担いで売り歩くスタイルでした。

売られていたのは主にそばやうどんで、商売人をターゲットに明け方まで売り歩いていたために、「夜鳴きそば」や「夜鳴きうどん」と呼ばれて親しまれていました。

このころは「ラーメン」という存在はまだ知られておらず、庶民に親しまれるようになった頃にも、屋台ではなく中華料理屋などの店舗で食すものでした。そんな中、関東大震災が起こります。

東京や横浜に多く店舗を構えていたラーメン屋は関東大震災によって大きな被害を受けました。そんな状況を乗り越えるために生まれたのが、手軽に始めることができる屋台でした。

こうして屋台ラーメン屋は全国に広がりを見せます。しかしここでまたしても困難が待ち受けていました。それが第二次世界大戦です。

第二次世界大戦によって多くの屋台ラーメン屋が閉店となりました。屋台が復活したのは戦後まもなく、生活の糧を求めていた戦災者や中国からの引揚者によって闇市として屋台が出されたことがきっかけでした。

これが、現在の移動式屋台の原型であるといえます。その後もラーメンやおでんなど、移動式の屋台は町のいたるところで営業していましたが、徐々に姿を消していき、今ではほとんど見かけることがなくなってしまいました。


どうして消えてしまったのか?

屋台が消えてしまった理由として最も大きいのは、法による規制です。

路上で営業する屋台は、飲食店としての食品営業許可と、路面を使うための道路占用許可や道路使用許可の取得が必須になってきます。

衛生面の意識が昔に比べてかなり高まっている現在では、屋台がこうした許可を得ることは難しくなっています。また、こうした規制強化の背景には、衛生面の問題だけでなく近隣の店舗からの苦情もありました。

家賃を支払わずにお客さんを奪っていく屋台は、近隣店舗からすれば疎ましい存在であったからです。

また、店舗の営業スタイルの変化も屋台の衰退に拍車をかけました。

屋台が多く存在した当時は、まだ深夜まで営業している店舗が少なく、居酒屋帰りや遅くまで仕事をした帰りの人達の需要がありました。

しかしコンビニやカラオケなど、徐々に深夜営業をする店舗が増えていき、屋台の存在が薄れていってしまったのです。


現在も営業中の東京の屋台ラーメン屋について

そんな理由で現在絶滅の危機にある屋台ラーメン屋ですが、全く無くなってしまったかと言われればそんなことはありません。

現在でも東京に屋台ラーメン屋は存在しています。

今回は東京で楽しむことのできる屋台ラーメン屋を二件ご紹介したいと思います。


【幸っちゃん】

虎ノ門駅近くに屋台を構えるこのお店は、さっぱりめの鶏がらスープを使用した昔ながらの中華そばを提供してくれるお店です。具材もチャーシュー、海苔、ナルト、たまご、ネギに多めのメンマを加えたオーソドックスなものになっています。屋台が流行っていた当時の味を思い出す方も多いのではないでしょうか。


【屋台らーめん 雪虎】

水道橋駅の東口にある屋台ラーメン屋です。さっぱりとした醤油ラーメンは、飲み会終わりの体に優しい一品。昔ながらの東京ラーメンは外国の方にも人気で、近くのホテルを利用する外国人観光客のためにテイクアウトも行っているそうです。名物である焦がしチャーシューとニンニクが冷たくなった体を温めます。

今回ご紹介した店舗以外にも、東京で屋台ラーメンを食べられるところは存在します。

気軽に立ち寄れるところが屋台のいいところだと思うので、見かけたらぜひフラッと立ち寄ってみてください。


まとめ

今回は消えゆく昔ながらの屋台ラーメン屋についてご紹介しました。

ラーメン人気がどんどん加速する一方で、こういった古き良き文化が衰退していくことは少し寂しい気がしますね。

若いころに屋台ラーメンを食べていた方や、子供の頃にテレビで見て、仕事終わりの屋台ラーメンに憧れを持っていた方はぜひこの機会に利用してみてはいかがでしょうか。

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